身体機能の連繋

 

 大和整體が用いる「連繋」という言葉は「体の機能的な繋がり」を意味します。体の不調には例外なく体の組織間での「機能的な繋がりの低下」が関わっており、この関係を修復することで不調が消え去ると考えます。そもそも私たちの体は、その機能が細胞というレベルからあらゆる組織・器官に到るまで「密接な関わり合い=繋がり」を持つことで機能しています。しかしその全てを正しく機能させ、維持することは非常に難しいため、多くの「機能的な途切れ(繋がりの断絶)」を抱えているのが普通です。こうした体本来の機能的な連携を回復させていくことが、大和整體が目指すべき施術となります。

 

 なぜ連繋が途切れるのかといえば、それは「機能の偏り」のためです。これは「体の使い方による偏り」という機能的な問題だけでなく、私たちの意識の中で起こる「考え方や感じ方の偏り」も大きく関与しています。そうした「意識の偏り」は必ず体にも何らかの形として反映されてしまいます。こうして起こる「さまざまな偏り」は体の中に「動かしやすい部位」と「動かしにくい部位」の差を作ります。そして、その差が一定以上に大きくなってしまうと、その境目で両者の「機能的な繋がり=連繋」が途切れてしまうのです。一つ途切れてしまえば、体はもう本来の自然な動きを行うことができなくなりますから、そうした不自然な使い方を重ねるうちに、やがてさらなる途切れが生じてしまいます。これを繰り返すうちに私たちの体はいつの間にか「継ぎ接ぎ」のようになってしまう。そうした結果として体に愁訴や疾病が起これば、それが治りにくいのも当たり前な話です。

 

 施術によって行う「連繋の回復」は、基本的には機能が途切れている二つの組織の状態を、それが繋がりやすいように近づけていくこととなります。施術によって「繋ぐ」というのはそれが必要である場合に行うだけで、出来る限りは「体自身」に繋がせます。どんな変化も施術によって外から引き起こすより、施術をきっかけにして中から引き起こした方がより自然で、安定しやすいものです。最初は関節を境とした体の各部位同士の「機能的な差」をなくしていくことで連繋を回復させ、全身の各部位を均一にしていきます。その「繋ぐ中身」も「筋肉の緊張度の均一化」であったり「血液循環の均一化」であったりとさまざまですが、まずは「同種の組織間」での連繋を順次回復させていきます。そうした「同種組織間の連繋」が一定の段階にまで達したら、次は連繋の対象を「異種組織間」へと移していきます(筋肉と骨/運動器と内臓など)。

 

 連携の回復は基本の段階では「連繋しやすい状態を作る」とし、実際に繋ぐ作業自体は体自身に任せます。のちに慣れてきたら「施術で直接連携させる」という方法をとります。どちらにせよ、体は機能が途切れている同士で連携が回復すると、その変化は必ず全身に波及します。それまでの全身のバランスは連繋が途切れていることを前提に構築されていたため、連繋が回復することで体は「連繋が回復したなりのバランス」を再構築するからです。こうした積み重ねで次第に全身が偏りなく動くようになれば、いずれ体は全身の機能が一定の範囲内で統合した状態、いわば「安定状態」となります。