2.疲れの種類

 

 一口に「疲れ」と言っても、疲労には「労働性疲労」と「運動性疲労」という区分があります。「労働性疲労」というのは仕事や家事などの疲れですが、誰しもこうした動きでは「あまり疲れないように」と、無意識に動作を小さく行おうとします。これは動作の時に全身を使わないことによる局部的な疲労に繋がっていきます。

 

 これに対して「運動性疲労」は字の通りに全身を使った場合の疲労です。これは全身がだるくなるような「心地よい疲労感」と思って下さい。多くの方が日常に感じる疲労感はこのうちの「労働性疲労」によるもので、いつも同じ使い方をしていることによって疲れが偏ってしまっている状態です。肩こり・腰痛などもこうした「労働性疲労」が原因になっているものは多くあります。

 

 どんな動きでも、その動作を行う時に全身を使っていればその負担・疲れが全身に分散されるので、一箇所一箇所の疲れが少なく回復しやすいのですが、動作を小さくしようとして部分的に疲れを溜め込んでしまうと、結果的に体は回復しにくくなってしまいます。こうした「労働性疲労」は休んでもなかなか回復はしませんが、逆に運動することで「運動性疲労」に変えてしまうと速やかに回復します。

 

 なかなか抜けない疲労感の多くは実際には全身が疲れているのではなく、部分的な疲労によって体がうまく動かなくなっていることによるものです。こうした場合は運動などで全身を動かして体が「均一」に動くようにすることで解消できることが多いものです。「疲れているから」と休むよりは、まず全身を動かして偏った疲れを全身に散らすことを優先させてみて下さい。