1.運動のきほん

 

 運動の基本は「バランスよく全身を使う」ことです。これさえ実践していれば激しい運動を行う必要はありません。ただ誰しも自分の体の使い方に「クセ」が強いため、どうしても得意・不得意の偏った動きになってしまいます。こうしたことを避けるためには運動の種類を「全身を均等に使うもの」として選ぶのが理想です。

 

 この全身運動とは「歩く」「走る」「水泳」などで、全身を同時に動かすことで全身の代謝も高まります。ただ、こうした運動を行えば全てが全身運動になるというわけではありません。「歩く」を例にすれば、誰しも歩き始めは体が温まっていないので全身がしなやかに動かず、動かしやすい局部に頼る「偏った運動」になっています。これが20分ほど続くと全身が温まってくるので、それ以降は全身がしなやかに動くようになります。

 

 これはおよそ20分未満の運動は効果が低く、20分を越えたところからの運動は効果が高いということです。こうしたことから歩く場合はその理想の時間は40~60分と言われます(休みながらでも構いません)。運動することはいいことですが、それが短い時間ばかりでは結果的に偏った運動として体のバランスを崩しやすいものとなってしまうので、定期的に長い時間の運動を行うよう心がけて下さい。

 

 運動の本当の目的は「体を鍛える」ことではなく、「体をしなやかに使う」ことにあります。いくら筋肉を鍛えても、体がしなやかに動かないのではすぐに疲れが溜まってしまいます。全力で行うよりも、常に気持ちの余裕を持って行うくらいの方が、結果的に健康な体を作ることに繋がっていきます。