2.栄養をとりすぎない

 

 ここまで書いた「お腹が減るまで食べない」と「食べないから出る」の2つを実践して頂けると、日々に摂る食事の量が減っていくことは想像して頂けると思います。そこで起りやすい疑問は「栄養不足にならないか?」でしょう。ただ、ここで問題とするのは「栄養の量」ではなく、体の側の「吸収効率」です。いくらたくさんの栄養をとっても、体がそれを吸収できないのでは意味がありません。

 

過剰な栄養の摂取は胃腸を疲れさせ、便通を滞らせ、栄養を充分に摂取できないばかりか、先の「腸内腐敗」によって体力を大きく消耗させます。誰でも体の中で栄養がスムーズに循環する量というものがあります。これはお金の「収入と支出」のようなもので、バランスが大事です。そして、この適正な量というのは、一般的な現代人の食生活より遥かに少ない量なのが普通です。

 

あと、これは栄養の循環についての大きな間違いですが、体内のブドウ糖が減ってくると空腹感が出てきます。しかし、実際には体内に予備のブドウ糖を多く蓄えています。この予備のブドウ糖は食事をして「新たなブドウ糖が補充できた」という命令が伝わることで、体内へ「解禁」となります。つまり食事で得たブドウ糖は蓄積に回り、実際に体を動かすブドウ糖は、体内に蓄えられていたものから用いているのです。食べたものがすぐ「エネルギー」に変わるのではありません。

 

よく「食べないと頭がフラフラする」といった方は、日常で頻繁に栄養を摂取することから、体内で常にブドウ糖が過剰になっているのです。ちょっとしたブドウ糖の欠乏に敏感なだけで、逆に抑えた食生活に切り替えることで安定していきます。現代の様々な病気の原因の多くは、体内の栄養過多にあるのです。