2.術後の症状について

 

 施術によって体に徐々に感覚が戻っていくと、人によってはそれまで感じていなかった痛みなどの不調を急激に感じることがあります。これは体内部の異常が緊張によって感じられない状態になっていたのが、弛緩によって感覚が戻るためです。これは子供が運動会で興奮している時はケガに気付かないのが、家に帰って気が緩んだ途端にケガの痛みに気付くのに似ています。

 

 人は誰しも、体の中の全てを把握しているわけではないので、体のあちこちを気付かずに強い緊張で固めてしまっているものです。そうした部分では緊張によって血液がうまく循環しないので、神経の働きが低下することから「感覚」も低下しているものです。こうした感覚の低下は内臓に顕著で、胃ががちがちになっているのに感覚がない場合、感覚が戻った途端に激痛を感じたり、嘔吐を繰り返したりします(腸なら下痢など)。

 

 ただこうした痛みや不調も、血液が循環しだしたことで神経の働きが回復したいう「回復のサイン」なので、体が本来の正しい機能に戻っていくためには必要な反応です。痛みや不調は自体は辛いものですが、それまで体に溜め込んでしまった「ツケ」を払うようなものなので、可能な限り「体の正直な反応」だと受け入れて下さい。ツケを払い終われば自然に症状も消えていくのです。

 

 ただ術後の痛み・不調の反応には、体が施術による変化を受け入れることができずに、無理にでも「施術の変化を打ち消そう」として起こる「強い緊張」が原因のこともあります。こうした場合も、2〜3日で体が諦めてくれればいいのですが、4〜5日たっても変化がないような場合は、自然な治癒が望みにくい状態であると考えられます。安易に薬などに頼らず、まずはご連絡下さい。